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Eki-Station/ishi-Stone
JR山口線-湯田温泉駅
山口県
何の変哲もないローカル線の駅のようですが、その隣で駅舎を見下ろす大きな白い狐像、これはいったい…
ここは、山陽新幹線の小郡駅からJR山口線(毎日曜日にはSLが走ります)に乗り換えて、山口駅の一つ手前にある『湯田温泉駅』です。 山口市は全国の県庁所在地のうちで最も人口の少ないところだそうです(当時、約12万人)。 観光としてはここから更に北に上った津和野(但しここは島根県)、萩、 秋芳洞・秋吉台が有名で、経済的には逆に下関、小郡、防府、徳山といった山陽道沿いの街がその中心ですが、明治維新以来内陸で盆地である山口は〔西の京〕 として政治・ 文化の主要な舞台でした。地形的にも共通点が多く、しかも京の都を模して街造りがなされたというだけあって、静かな中にもどことなく上品な雰囲気が漂います。 八坂神社に瑠璃光寺五重塔とまさに京都です。 その西の京に付随するように続く温泉街が湯田温泉です。
さて先ほどの狐ですが、昔、昔のはなし、 この地に棲む白狐が湧き出る温泉を見つけたという伝説によるものです。この温泉は八百年来の三陽路の名湯として有名で、多くの旅館、 ホテルが立ち並び湯の町の情緒を醸し出しています。それにしても高さ10メートルはあろうかというこの大きな狐の像、傍らには噴水のかわりといいますか、 当然のように湯がこんこんと湧き出ていて、その物語を視覚化しているというわけです。 この駅、観光地ということもあって特急が停車します(といっても3両編成)。 しかし単線で以前はこの駅で列車が離合していたのでしょう、ホームは確かに2本あるのですが、2番ホームはすでにレールはありません。その跡がむなしく残ります。 [1992]