ニュー・シネマ・パラダイス
(1989/伊・仏 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ)
シチリアの小さな村にある映画館パラダイス座。少年トトは母親に頼まれたお使いのお金をくすねては映画館にもぐり込む映画好き。映写室に入ってみたいトトはいつもアルフレードに追い返されていた。だが、ふたりの間にはいつしか年の差を超えた友情が芽生える。音楽はイタリアの巨匠エンニオ・モリコーネ(1928~2020)。『荒野の用心棒』(64)などマカロニウエスタンには欠かせない存在と言われたようだが、なんといってもこの作品における音楽の評価が高い…ということらしい。序章だったか、キスシーンのコレクション?にざわつく少年(たち)の表情と周囲の大人たちのうろたえぶりは〝秀逸〟だった。
私の映画好きのスタートはわからない(もしかすると、父の胡坐に納まって観た『丹下左膳・こけざるの壺』かもしれない)が、常設の映画館が近所になかった者が、突如映画館通いに耽ることになるきっかけは『スティング』、遅い〝デビュー〟であった。そういうことまで思い起こさせてくれた映画だった。
「人生は映画とはちがう。人生はもっと困難なものだ」
「身体が重いと足跡も深くなる。恋心も強いと傷が深い」
映写技師が垂れる教訓だが、実は別の映画からの〝流用〟であることを白状する。(『お楽しみはこれからだ Part5』:和田誠著)
愉しみが一つの事に集束していた時分に、その大好きな〝環境〟の中で、こんなこと言われたらそれこそ身に沁みるものとなっただろう。