ゲッタウェイ
[The Getaway]
(1972/米 監督…サム・ペキンパー)
銀行強盗の仲間割れでボスを殺したドク(スティーヴ・マックィーン)は妻キャロル(アリ・マックグロー)と共にひたすらメキシコへ向かって逃げるという作品。ボニーとクライド(『俺たちに明日はない』)は凄絶な最期を迎えたが、この二人、このての映画では珍しく、逃亡に成功してしまう。
「何も信用できない」
「何か信用しないわけにはいかないわ」
「我、紙を信ず。紙幣に書いてある」」
「お金だけが信用できるのね」
二人の会話で、どうしたわけか半世紀近くも手元に在る1ドル紙幣を眺めてみた。どこかにはあるはずだが、小さな文字がたくさんあって探すのもめんどうになった…(和田誠著『お楽しみはこれからだ』より
バイオレンスを扱って評価が高いと言われるこのペキンパー監督、名前はよく存じ上げているが、『わらの犬』だの『ワイルドバンチ』など、個人的には決して〝好きな映画〟リストには入らない、どちらかというと避けて通りたいジャンルだ(勝手に観なければよろしい…)。それにしても結構な演者をそれぞれ使っていて、この人やはりただものではないのであろう。