日別アーカイブ: 2017年7月9日

訃報 ロジャー・ムーア

 ジェームズ・ボンドといえば、ショーン・コネリーというべきなのかもしれないが、個人的にはこのロジャー・ムーアこそがボンド氏を演じることが“常識”となっていた。ティモジー・ダルトン(悪くはなかった…)とともに、初期の『死ぬのはやつらだ』だけは残念ながらテレビ鑑賞だったが、全て封切りで観た。その後のピアース・ブロスナンなどというのは、失礼ながらあれはボンドではない。その頃になると、こちらの映画熱が冷めてしまったということもあるが、最新のダニエル・クレイグにしても、見かけからして“夢がない”というか、観ていて愉しくない。
 ロジャー・ムーアは三代目(二代目のジョージ・レーゼンビーは作品的にもその無骨なイメージもあって、できれば“経歴”としては除外してしまったほうが本人のためになるのかもしれない…)ということになっているが、シリーズ開始前に『カジノロワイヤル』というものがあって(最近のダニエル・クレイグのものではない)、これは徹底したコメディだったが、そこでの引退したボンドとしてデビッド・ニーブン、更にその“影武者”みたいな存在としてピーター・セラーズまで入れるとどうなるか?それはともかく一番長くボンドを演じたのはロジャー・ムーアということになった。
 さて、ボンドガールとなると(敵役にもいえることだが…)、シリーズを重ねるにつれ徐々に“精彩”を欠いていく。ショーン・コネリー時代のウルスラ・アンドレス、ダニエラ・ビアンキ(個人的にはこの人が最高なのだが、以降の作品には全く恵まれなかった。)、オナー・ブラックマンくらいまでで、あとはひとまとめに『ボンド・ビューティ』などと数ばかり増やして、これはという人は現れなかった。モード・アダムスなどは製作サイドでの評判が良かったのか?二度(『黄金銃を持つ男』『美しき獲物たち』)も出演したケースもあったが、それほどか?と失礼ながら思ったものだ。ブリット・エクランド、カロル・ブーケとどうかな?というケースもあったが、浜美枝さん、若林映子さんにはとりあえず触れないでおこう…
 話が逸れた、ロジャー・ムーアはアクション俳優ではない。舞台出身で、映画でも『雨の朝パリに死す』などと、タイトルだけで名画かと思わせるものに出ていて、エリザベス・テーラーと共演していた。そして本国イギリスでは“サー”で“ナイト”なのだそうだ。日本でいえば、文化勲章受章者ということになろうか?それはともかく、あのローレンス・オリヴィエ氏と“同列”の?名士なのであった。ボンド氏は女好きだったが、この人はショーン・コネリーほど油っぽくもなく、安心して?全篇を鑑賞できたことをいまさらながら感謝している。