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こんな映画を観てきた[11]

ひまわり

 「ひまわり」といえば、ビットリオ・デ・シーカ監督、ヘンリー・マンシーニ音楽の、ズバリ!イタリア映画『ひまわり』(1970年)である。あのウクライナのひまわり畑の映像に、これ以上はないだろうと思われる心揺さぶる音楽が流れると、こちらの涙も溢れ出し、とめどなく流れ続けることに相成る。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの“名人芸”にも助けられて、リュドミラ・サベリエワの可憐さが更に際立ち、映画史に残る“泣かせる”作品となった。もっとも、苦労の末に行方不明の亭主を見つけたものの、残酷な現状を大人の対応で身を引くべく、列車の飛び乗ったところで“fin”マークが出れば完璧だったが、その後のまさに“後日談”のような部分は要らなかったかもしれない。
 余談になるが、欧州で名優(映画俳優)といえば、男優ではこのマストロヤンニ氏ということになろうか(無論異論はあろうけれど…)、ローレンス・オリベビエと言うべきところかもしれないが、シリアスからコメディまでということであれば、個人的にはマストロヤンニ氏をとりたい、なにしろ、アラン・ドロンなどには“はなもひっかけなかった”?あの、カトリーヌ・ドヌーブの心を虜にしたのだから、文句なし?!である。ついでに余談、劇中登場した赤ん坊は、ソフィア・ローレンの実子で、父親は製作のカルト・ポンティ氏だったと記憶している(“かいせつ”をチェックしたみたら、この映画までの2年のブランクの間に出産したとある)。
 ただし、このひまわり畑の地下には、東方戦線で散っていったイタリア兵たちの屍があったことを忘れてはならない。