月別アーカイブ: 2018年4月

こんな映画を観てきた[4]

アパートの鍵貸します【1960/米】

 “わたしの好きな映画”といえば、トップは『アパートの鍵貸します』(原題はズバリ『アパートメント』なのだが、これは邦題が勝っている稀有な例であると思っている)である。「おかしゅうて、やがて哀しき、そしてやっぱりハッピーエンド!」がアメリカ映画の神髄だとすると、これはまさに教科書であろう。

 もう40年近くも大昔のことだが、初めて勤めた会社を無理矢理?休んで、アメリカはロサンゼルスに旅に出たことがあって、その際市内観光のバスで「ハリウッド・コース」というもの(タイトルはあやふやだが…)に参加し、ビリー・ワイルダー監督のお宅の前を通過したような(ガイド兼運転手がそう言ったような…)記憶があるのだが、勝手な思い込みかもしれない。その後は、当然?!チャイニーズ・シアターを訪ねて、前庭のスターたちの手がた・足がたを“拝み”、その中程に周囲とは違ってやや赤みの濃い、並んだ二枠がシャーリー・マクレーンとジャック・レモンのものであることを確認して感涙に咽ぶのだった。回転式の名刺ホルダー、丸ごと“チン”するTVディナー、スパゲッティを湯きりするためのテニスラケット、トランプに空の酒瓶(大量)などなど、登場する小物たちも演者に負けない存在感を示していた。