雨の訪問者【1970/仏】
6月、雨の季節、というわけでこの作品をふりかえってみた。主演はチャールズ・ブロンソンということになっているが、断じてここではマルレーヌ・ジョベールである。ブロンソンの奥方であるジル・アイアランドも出ていたが、印象に残っていない。ルネ・クレマン監督で、フランシス・レイ音楽とくれば、内容はともかく“雰囲気”は推して知るべしであるが、とにかくメリーの可愛らしさにはまいった!!『さらば友よ』ヒットのご褒美だったのかもしれないが(本人もまさかフランスで花開くとは思っていなかった?)、もしかするとブロンソンでなくても(ないほうが)、このハリー・ドッブスという役はよかったのかもしれない。こういう女性はアメリカ映画では登場しない、フランス映画ならではのキャラクターであり、それでしかありえない。か細くて、自分勝手で、軽くはないが、かといって深味も無い、見ているだけで十分に成り立つ存在感なのである。つまり可愛いというだけで、それでよろしいのである。