日別アーカイブ: 2018年5月30日

こんな映画を観てきた[6]

雨の訪問者【1970/仏】

 6月、雨の季節、というわけでこの作品をふりかえってみた。主演はチャールズ・ブロンソンということになっているが、断じてここではマルレーヌ・ジョベールである。ブロンソンの奥方であるジル・アイアランドも出ていたが、印象に残っていない。ルネ・クレマン監督で、フランシス・レイ音楽とくれば、内容はともかく“雰囲気”は推して知るべしであるが、とにかくメリーの可愛らしさにはまいった!!『さらば友よ』ヒットのご褒美だったのかもしれないが(本人もまさかフランスで花開くとは思っていなかった?)、もしかするとブロンソンでなくても(ないほうが)、このハリー・ドッブスという役はよかったのかもしれない。こういう女性はアメリカ映画では登場しない、フランス映画ならではのキャラクターであり、それでしかありえない。か細くて、自分勝手で、軽くはないが、かといって深味も無い、見ているだけで十分に成り立つ存在感なのである。つまり可愛いというだけで、それでよろしいのである。

エレーンとラブ・イズ・ブラインド

 時期的にかぶっていたか?この2曲とはセットで関わった。中島みゆきとジャニス・イアン、夜中に聴いてはいけない歌の双璧であるとかねてから“主張”してきた。何故なら、まわりの静寂と相まって死にたくなってしまうからだ。とりわけ「エレーン」、8分にも迫る大作で、聴く者の“芯”をつかまえて離さない。
    エレーン 生きていてもいいですか
    誰も問いたいエレーン
    その答えを誰もが知ってるから
    誰も問えない
 何十年かぶりにまとめて聴いてみた、これは沁みるなどというレベルではなく、打ちのめされてしまう、40年を経ても尚その圧は凄まじく、聴く者を無抵抗にしておいて、そうしておいたうえで情け無用にそこらあたり引き摺りまわす、あとは暗いだけのまさに闇である。そんな中に置き去りにされて、もうどこへも行けない、悲しみも怒りもなく、ただ肩を落として立ち尽くすのみだ。どちらも名曲だとは思うが、とても長く聴いてはいられない、飽きるといことでは決してない、どうにも辛いのである。