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訃報  バート・レイノルズ

 米国の俳優バート・レイノルズが9月6日、南部フロリダ州の病院で死去した。82歳。
 「トランザム7000」「キャノンボール」などが代表作とマスコミでは言っているが、個人的には何といっても、断じて『ロンゲスト・ヤード』(1974・米 ロバート・アルドリッチ監督)である。
 …元プロフットボールのクォーターバック(B・レイノルズ)が囚人たちの即席チームを叩き上げ、看守チームに対抗して、日頃の恨みを晴らすという、まさに男臭い、そして痛快な作品だった。
 「シャーキーズマシン」という、みずから監督・主演をしてヒットした作品や、「サイレントムービー」といった珍妙な作品(本人の役で、メル・ブルックス監督から映画への出演交渉を受けるという愉快なものだったが、余談ながら、そのエンディングはおかしくも見事だった)にも出演したが、奥方(ではなかったか?!)のオスカー女優サリー・フィールドのような名優の称号などどこ吹く風で、いやらしくも匂うような“男”を演じさせるに、とにかく得難い俳優であった。

こんな映画を観てきた[7]

[1954/伊]

 粗野なザンパノー(アンソニー・クイン)と心の優しいジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)に“キ印”(リチャード・ベースハート)と呼ばれるの青年が絡んで、悲惨さの中に本当の人間性を感じ取り、まさに人としての生きる“道”を教えてくれた。すでにリバイバル上映で、オンタイムではなかったが(実はこの映画と同い年である…)、当時これは2度観るはちょっとつらいなと思った記憶があり、テレビ上映も幾度かあったが観ることはなかった、部屋でコーヒーすすりながらリラックスして鑑賞するような作品ではない。後悔、懺悔そして孤独、砂浜でのサンパノーの嗚咽がやがて夜の闇の中に溶け込むエンディングが忘れられない。
 音楽はニーノ・ロータ。主題曲「ジェルソミーナ」はまさに名曲中の名曲と言われ、時代を越えて流れつづけている。ここから、「太陽がいっぱい」(1960)、「ロミオとジュリエット」(1968)、「シシリアン」(1969)、「ゴッドファーザー」(1972)と続くが、いずれもすっかりスタンダードナンバーである。とりわけ個人的には「シシリアン」のテーマが好みで、これが「ゴッドファーザーの愛のテーマ」につながることになるのだが、アメリカに渡ると、どうしたわけか楽曲としては完成度は上がるのかもしれないが、何かしら削ぎ落とされて映画音楽としてその機能を失ってしまったといっては…むろん言いすぎだろう。