月別アーカイブ: 2018年12月

「六本木ララバイ」

     歌:内藤やす子
     作詞:エド山口
     作曲:岡田史郎

 あなたのやさしが
 痛いほど分かり過ぎる
 さよならの言葉さえ
 言えずに別れた人よ
 季節の足音心で聞きながら
 ララバイララバイ瞳を閉じて
 東京の夜明けに歌う子守唄

 明日の運命など
 だれにも分かりはしない
 出会いと別れの
 ためにだけ生きてる人よ
 木枯らしささやく心を抱きながら
 ララバイララバイ涙をふいて
 東京の夜明けに歌う子守唄

 失くしたあの夢心で呼びながら
 ララバイララバイおやすみよ
 東京の夜明けに歌う子守唄
 東京の夜明けに歌う子守唄

 1984年リリースというから、二度目に勤めた会社に慣れた頃の曲ということになる。歌詞を眺めて、どうしてこれが“六本木”なのかよくわからない、もしや『東京ララバイ』という曲があって、それに対抗してのことであったかと思い調べてみると、もしかするとそうかもしれないと勘繰ってしまった(『東京…』は1978年発売)が、実のところはわからない。しかし、歌唱力のお蔭もあるのだろうが、「東京の夜明けに歌う子守唄」のサビはこれもまた実に沁みるのである。ヒットしたという記憶も微かにあるが、やはり、当時は心に余裕がなかったか、或いは「六本木」限定ということで個人的には印象に、そして記憶に確かに残らなかったのもしれない。

こんな映画を観てきた[10]

2001年宇宙の旅[1968/米/スタンリー・キューブリック監督]

 ヒトがまだ猿だった頃、黒石板(モノリス)に気づいた一群の中のある“者”がそっと手を伸ばして触ってみた(この最初に触れるという行為が重要で、これが米ソいずれであるのかということにもつながっていたのかもしれない)。こうして“神の啓示”を享けた猿は“只者”ではなくなったわけだが、かれが動物の骨を道具として他の群れとの争いを牛耳ることになる、歓喜の中で中空に放り上げた道具としての骨がやがて宇宙船に姿を変えて月への中継点である国際宇宙ステーションに向かう、そこで流れるのが『美しき青きドナウ』、見事な効果を得たと思う。
 ジャンルでいうとこのSFというのはあまり好みではないのだが、好きな映画タイトルは?と問われれば、この『2001年宇宙の旅』と『サイレントランニング』(1972/米/ダグラス・トランブル監督)を割合上位で?早いうちに思いつく。さて『2001年…』謎というか、解答を示さないままこの映画は終ってしまう。その“解答”は後に製作された『2010年』という、どういったらいいか、繰り返し観ようとは思えない作品の中で示されることになるが、そもそも“神の啓示”のおはなしで、腑に落ちる結末などというものはむしろあってはならないことなのかもしれない。故に、人間対『HAL(コンピュータ)』の壮絶な戦いなどというものでもありえないし、そういったものをストーリのベースにこそすれ、テーマはそれを超越してこそのキューブリック作品といえるのだろう。アポロが月に人間を運ぶ1年前の作品に、今もなお驚異と畏れを覚えるのみである。