作詞…安富 庚午
作曲…城 美好
歌唱…森 進一
川の流れの きまぐれに
逃げて行きます 幸せも
こぼす涙が あと追うばかり
流れ流れの 釧路 札幌雪の町
旅のお方と 知りながら
故郷(くに)のなまりの なつかしさ
むせぶ瀬音に かくれてむせぶ
流れ流れの みぞれ 金沢 主計(かずえ)町
女命の かがり火は
燃えてこぼれて ただ一度
恋のやみ夜に 唇 かんで
流れ流れの 岐阜は 柳ヶ瀬 別れ町
酔いをさましに 出た頬を
そっといとしむ 川柳
こんな情けが ひとにもあれば
流れ流れの 京都 木屋町 花の町
好きでせつない 人の名は
書いて流して 今夜から
酒場稼業の 浮草ぐらし
流れ流れの 博多中州は 浮気町
“全国縦断型”のご当地ソングである。「金沢・主計町」が目新しい他はなじみ深い場所ばかりではあるが、曲調も重くなく、覚えやすく唄いやすい…かも。森進一の物の中でもビッグヒットとはならなかった唄に、時を越えて“沁みる”唄を再発見している(年のせいだとは思う)。『人を恋うる歌』、『女心』、『雨の桟橋』、『東京みなと』、『放浪船(さすらいぶね)』等など、令和の時代に、深夜、ユーチューブでイヤホン越しにしんみり聴き入っている姿は我ながら珍妙で、いささか納まりが悪いところだが、それもまた愉しからずや…である。