ジョーイ[SOMETHING FOR JOEY](1977米 監督:ルー・アントニオ)
スポーツ、子供、そして病気…これだけそろえば泣かずにはすまされない!そんな“卑怯な”映画である。
11歳の末っ子ジョーイ(ジェフリー・ライナス)が、白血病で余命数ヵ月だという。兄のジョン(マーク・シンガー)や家族にあたたかく見守られる中、ジョーイは少しずつではあるが、一旦は回復にむかう。ジョンの試合にも行けるようになったジョーイは、ジョンに誕生日のプレゼントをねだる。「1試合に4つのタッチダウン」とジョーイ。ジョンは何かに憑かれたように走り、その年のハインズマン・トロフィー受賞者に。そしてニューヨークでの受賞式で彼は言う「僕が戦うのはフットボールの時だけです。しかし、弟のジョーイは不治の病いと戦っています。このトロフィーはジョーイが受けとるべきです…」と。
それから3年後、ジョーイは静かに亡くなった。
実話らしいが、悲劇を悲劇に終わらせず、大いなる?感動の結末に誘う、いかにもアメリカ的な筋書だと言っていいだろう。封切り当時、新宿駅東口の新宿武蔵野館で観た。割合女性客の多い作品を懸けることの多い映画館だったと記憶しているが、その折も終了後、目に一杯涙を溜めた(泣きはらした)男が一人、明るいエレベーターで若い女性に囲まれて一階におりるのがなんとも恥ずかしかった…<K>