いちご白書[The Strawberry Statement](1970/米 監督:スチュアート・ハグマン)
半世紀も昔のことである。上京した時には、すでの学生運動は〝末期〟だったが、それでもまれにキャンパス内を様々な色のヘルメットをかぶった集団が闊歩していた。しかしあくまでも緩い雰囲気だったことを微かに記憶している。事の発端は、児童公園閉鎖に反対することだったが、やがて大事になって、最後の『サークルゲーム』、そしてサイモン(ブルース・デーヴィスンが警察(権力)に向かって跳びかかったところでストップモーション、あの大ヒット曲が流れてエンディングである。
リンダ(キム・ダービー)の可憐さに参ってしまい、彼女は前作において、なんとジョン・ウェインと共演(ラスト・シューティスト)したりするのだが、こんな同級生がいたら、主義・信条もあっさり変えてしまっても悔いはない…なんてことに、きっとなる!
キャンパスを占拠した学生が食料調達と称して近所のスーパーに行く、代金を支払わずに…しかし、店主は小声で「これも持って行け」なんてそれを許すのだが、損失分は保険でまかなえるとあって、新米運動家(サイモン)も(観るもの者も)納得するのである。当時は「アメリカだなあ」と感心頻り、となったことを記憶している。
日本では、映画よりも「いちご白書をもう一度」などという歌の方が大いにヒットしたが、「就職が決まって、髪を切って来たとき・・・」などと言われてしまっては、興覚め、浅い捉え方だと思ったものだ。