月別アーカイブ: 2022年3月

こんな唄に出くわした[3]  -雪-

   雪 

  作詞:吉田旺
  作曲:池毅
  歌:ちあきなおみ

 噂たぐって 北港(きたみなと)
 消息(ゆくへ)つきとめ うれしやと
 あなたのアパート 訪ねれば
 「どなた?」と女が 顔をだす
 古いともだち 友達ですと
 つくる笑顔に 雪…雪…雪…
 雪…雪…雪…

 「すぐにあのヒト 戻ります」
 「どうぞ上って ください」と
 微笑む真赤な その頬に
 負けたとなぜだか そう思う
 「汽車の時間が ありますから」と
 頭さげれば 雪…雪…雪…
 雪…雪…雪…

 吹雪(ふぶ)く坂道 ヨロヨロと
 ヒールひきずる もどり道
 子供の手をひき あのひとが
 私に気づかず 行き過ぎる
 あなたさよなら さよならあなた
 踵(きびす)かえせば 雪…雪…雪…
 雪…雪…雪…

 ちあきなおみと、日吉ミミで聴いてみた。対極的な唄い方で、それぞれの特徴がよく出ていて、それぞれ沁みるものだった。物語としては、いわば“修羅場”もので、それほどの“深味”も感じないが、歌い手の力量?による沁み具合といったところかもしれない。ただ、『雪』の存在感というか、効果は絶大、これ以上の寒々しさはないだろう。

天気予報と今日の料理

 新型コロナとウクライナ、いずれも〝ゲーム〟などではなく、現実に起きていることで断じて見て見ぬふりをしてはならない。がしかし、まるでメディアの手抜きみたいに〝右へ倣え〟の大合唱で、同じ(全部とは言わないが…)内容を日がな一日垂れ流し?決して飽きてはいけない、〝平和ボケ〟して、対岸の火事としてはならない…とは思うが、いっそのこと目をつむってしまいたくもなる。
 ところで、飽きてもいいはずなのに、ついついチャンネルをあわせてしまうのが『天気予報』と『料理番組』だ。いずれも今この時に参考にして生活に活かす(そういう人も多かろうが…)ようなこともない。マンネリ、飽き飽きといえばその双璧といってもいいはずなのに、なんとなく流しておいて驚きこそないものの、とにかく安心感に包まれるのだ。〝定番〟の凄みというべきか。きっと、制作側は手を抜かず、マンネリを意識したうえで、内容を吟味して、工夫して世に出しているのだろう…と思う。見るものに阿る必要はないが、かといって侮ってはいけない。《K》