ベニー・グッドマン物語[The Benny Goodman Story](1955/米 監督:ヴァレンタイン・デイヴィス)
ベニー・グッドマン(スティーブ・アーレン)の楽団がステージで演奏している。客席で母親と恋人が並んで座っている。母親が「あの子は口下手で、もうプロポーズはしたの?」、それにこたえて恋人のアリス(ドナ・リード)が言う「今、していますよ」、いかにもアメリカ的なエンディングである。
この類の作品はだいたい成功する。もともとのモデルが成功者なわけだから当然ではある。その代表が『グレン・ミラー物語』だとすると頷けないか?!『愛情物語(エディ・デューティン物語)』も同類だと思うが、こちらは〝成功物語〟というよりは、むしろより複雑な人間ドラマで、ちょっと異質かもしれない。