月別アーカイブ: 2023年1月

こんな唄に出くわした[10]    冬の花

   冬の花

    作詞:石坂まさを
    作曲:平尾昌晃
    歌:鮎川いずみ

 怨みつらみが 悲しくて
 なんでこの世が 生きらりょか
 どうせ一度の 花ならば
 咲いて気ままに 散ってくれ

  ※春とおもえば 夏が来て
   夏とおもえば 秋が来て
   所詮最後は 寒い冬※

 夢を追ってく 奴がいりゃ
 嘘に泣いてる 奴もいる
 顔を合わせりゃ 他人街
 誰に遠慮が いるものか

  (※くり返し)

 西を向きたきゃ 西を向け
 北へ行きたきゃ 北へ行け
 そんなもんだよ 人生は
 風に吹かれりゃ それまでさ

  (※くり返し)

 1982年に、「必殺仕事人Ⅲ」の主題歌としてリリースされたそうで、ドラマの中で鮎川いずみといえば、「何でも屋の加代」を長く演じたことで記憶に残っている。特に上手い歌い手だとは思わない(そもそも歌手ではない…)が、不安定な歌い方?もあって、なんとなく沁みてくる、時代背景もよくよく思い起こされるのである。とにかくこのシリーズ自体、このあたりが最高潮であったらしい。西崎みどりのもの(『旅愁』、『流星』)は今でも時折聴かれる懐かしのヒット曲だが、これもまた気づかなかっただけで、もしかするとそうした存在なのかもしれない。

こんな映画を観てきた[32]    オリエント急行殺人事件

   オリエント急行殺人事件
 (1974/英・米 監督:シドニー・ルメット)

 「ピエール、タオルが欲しいのだが...」イスタンブール発パリ経由ロンドン・ヴィクトリア駅行き『オリエント・エクスプレス』、 2晩めのファーストクラス 寝台車にて、エルキュール・ポアロ(アルバート・フィニー)が個室の扉から顔だけ出して、車掌のピエール(ジャン・ピエール・カセル) に声をかけた一言で、厳密には間違っているかもしれないが、 とにかくこう覚えている。髭を整え、ハンドクリームを丁寧に塗り込んで、 シルクの手袋をして新聞をつまむようにページをめくり、消灯して、やがて事件の時を迎える。
 演者も舞台も豪華絢爛の極致で、宮殿に派手な衣装で大舞踏会とは対極的な小さい空間で、さらに加えて旧ユーゴの山越えでの大雪に閉じ込められた深夜、 ミステリーにとってこれ以上の舞台設定はないだろう。ストーリー自体はすでによく知られていて、“謎解き”の愉しみはないが、事件前の緊張感、 そしてポアロが容疑者の一人ひとりを“平等”に追い詰めていくプロセスはさすがの演出だと思い知らされる。 “大スター”の面々、誰一人として“遊んで”はいない、 いや、手を抜いていない、むしろ“やり過ぎ”くらいだ。
 それはともかく、その昔、この台詞を使いたいと乗り込んだ寝台列車(ヴェネツィア・サンタルチア駅発パリ・東駅行き)だったが、ついにそのチャンスは訪れず、 またその勇気もなかった。
 「クッダイハブ サム クリーン タオルズ?」カタカナで書くとこうなるか・・・