月別アーカイブ: 2023年2月

こんな唄に出くわした[11]    雨の日のブルース

   雨の日のブルース

    作詞:橋本淳
    作曲:筒美京平
    歌 :渚ゆう子

  小雨に濡れている夜の
  ちいさな坂道のクラブ
  淋しい足音を響かせて
  私は一人

   ※暗いブルースを くちづさみ
    昔別れた人のため
    熱い恋の誘惑にたえている※

  真紅の野バラを胸に
  飾って私は今日も
  貴方にもう一度逢える日を
  密かに待ってる
  涙でまつげを濡らしても
  愛しい貴方はいないから
  せめて甘い思い出に浸りたい

   (※くり返し)

 『京都の恋』に『京都慕情』はたしかに渚ゆう子の代表作かもしれないが、ベンチャーズとは無縁の?こんな唄にでくわした。忘れてしまっていたか、発表当時どうしたわけか馴染むことがなくて印象に残らなかったか、今になって〝沁みる〟唄としての登場である。わかりやすい詞、心地よいメロディライン、そしてテンポと、スタッフを見てもまさに流行歌、馴染みやすく淀むところがまるでない、繰り返し聴いて飽きない〝名曲〟である。

こんな映画を観てきた[33]    シェルブールの雨傘

   シェルブールの雨傘
   (1964/仏 監督:ジャック・ドゥミ)

 オープニングのカラフルな傘の往来、シェルブール駅での出征する恋人の見送り、そして雪のガソリンスタンドでの再会と永遠の別れ。台詞が全て音符付きで、そんなことはどうでもよろしい、ただただ一六歳のカトリーヌ・ドヌーブが可愛らしくて…
…フランス北西部の港町シェルブール。自動車修理工の青年ギイと傘屋の娘ジュリビエーブは結婚を誓い合った恋人同士だったが、ギイに送られてきたアルジェリア戦争の徴兵令状が2人の人生を大きく翻弄する…というお話。40年もの大昔、シェルブール駅のホームに立たんと、目指すには目指したが、まだTGVはパリ・リヨン間のみの運行で、ノルマンディー方面へはパリから片道4時間、それを日帰りでというのはさすがに腰が引けてしまい、またTGV乗車の魅力に抗しがたく、結局こちらを選び、シェルブール駅を断念したという記憶がある、微かに。
 半世紀以上も昔(先の東京オリンピックが開催され、そしてこの年、日本シリーズで阪神タイガースが東映フライヤーズに敗れた。日本一になるのは21年も後のことである)の作品でもあり、さすがにすでにリバイバル上映であったが、冒頭の傘が左右上下に交錯するオープニングには圧倒されたものだ。