風の盆恋唄
歌 :石川さゆり
作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし
蚊帳の中から 花を見る
咲いてはかない 酔芙容
若い日の 美しい
私を抱いてほしかった
しのび逢う恋 風の盆
私あなたの 腕の中
跳ねてはじけて 鮎になる
この命 ほしいなら
いつでも死んで みせますわ
夜に泣いてる 三味の音
生きて添えない 二人なら
旅に出ましょう 幻の
遅すぎた 恋だから
命をかけて くつがえす
おわら恋唄 道連れに
こんな唄があったということは微かに覚えている。『天城越え』の“その後”みたいな印象もあるが、こちらは、大ヒット!ということにはならなかったようだ。「メラメラと燃え盛る」というものではなくて、どちからというと青白い冷たい情念の炎…といったところか、物語性も希薄で、いかにも刹那的であり、それでいて沁みる、静かに…。『風の盆』といっても、その舞台である富山県富山市八尾地区には立ち寄ったこともないが、“生き死に〟と冷徹に、そしてより直截的に向き合う空気感が迫ってくる…ようだ。