ロンゲスト・ヤード [THE Longest Yard]
(1974/米 監督:ロバート.アルドリッチ)
元NFLのクォーターバック(バート・レイノルズ)が囚人たちの即席のチームを叩き上げ、憎っくき看守チームに仕返しをする…というなんとも〝男くさく〟も痛快ファンタジーなアメリカ映画らしい作品といえるが、これだけ〝男性的〟で頻繁に出てくるスラングの数々(覚えていないが)からして、現代では〝コンプライアンス〟的、いや時代風潮のプレッシャーからして製作できないかもしれない。いかにも実直なエディ・アルバート(『ローマの休日』のペックさんの同僚だった)にこれぞ陰険、悪玉の権化といえるエド・ローターと見事な配役なのであった。
B・レイノルズは2018年、82歳で亡くなった。当時の記事には「死因はあきらかにされず、心臓発作の情報がある」と報じられているが、スターの死はそのくらいミステリアスであっていいと思う。この映画の直後、彼はメル・ブルックス監督の『サイレント・ムービー』なんて何とも珍妙な作品にゲスト出演みたいなかたちで登場する…、俳優としての評価は当時高いとは言えなかったかもしれないが、もしかするとその良さを本当にわかっていたのは奥さんである(であった?)アカデミー女優のサリー・フィールドで、彼としてもそれで良しとしていたのだろう…と思っている。