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こんな映画を観てきた[48] お熱いのがお好き

     お熱いのがお好き
       [SOME LIKE IT HOT](1959/米 監督…ビリィ・ワイルダー)

 女装してギャングから逃げているジャック・レモンに金持ちのお爺さんが惚れてしまって、あげく求婚するに至るが、いろいろ言いつらねて逃げようとするも、全てを許そうとするこの老人に対してついにかつらを取って
   「俺は男だ」
 それでもこの老人挫けず、こう続ける
   「完全な人間はいない」
 恐れ入りました…モーターボート上でのラストシーンだった。
    (和田誠著『お楽しみはこれからだ』より)

 ビリィ・ワイルダーにジャック・レモンとくれば、もうなんでも面白いわけだが、『アパートの鍵貸します』と本作はその双璧といえるのだろう。もっとも個人的には、マリリン・モンローとトニー・カーチスが束になってかかってきても?シャーリー・マクレーンが共演とあれば、作品として前者には到底かなわないが…
 その昔、市内観光バス(「グレイライン」と言ったか?)でハリウッドを訪れた折(過去にトラブルがあったらしく、住宅地はノンストップだったことを覚えている)、「こちらが、あのビリィ・ワイルダー監督のお宅です」との案内があったような…こちらの思い込みによる聞き違えかもしれないが、そう聞こえた。

こんな唄に出くわした[20]    酔いしれて

     酔いしれて

    作詞:音羽 たかし
    作曲:高寄 潤
     歌:岸 洋子

  恋に苦しみ 恋に泣いて
  恋に狂った 私なのに
  恋のせつなさ 恋の甘さが
  今夜も私を 酔わせるの
  忘れられるものなら
  こんなに 飲みはしない
  愛した私が 悪い
  熱い口づけに 酔いしれながら
  何時か眠った すぎし夜よ

  恋の未練に 心乱れて
  眠る夜毎の 夢にさえも
  あなたの優しい 甘い言葉が
  今夜も私を 酔わせるの
  何時か逢えるものなら
  こんなに 飲みはしない
  愛した私が 悪い
  熱い口づけに 酔いしれながら
  何時か眠った すぎし夜よ

 岸洋子の唄にしてはイメージが広がらないというむきもあるかもしれない、彼女ならもっと〝愛〟を高らかに歌い上げてしかるべし…との声があるかもしれない。ちあきなおみの歌唱を見つけて、こちらも聴いてみた。全く違った雰囲気世界観で、どちらがどうということでは毛頭ないが、これはシャンソンではなく、一方は思い切り歌謡曲ということなのか、いずれせよどちらもそれぞれ違った道を通って沁みてきた。