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こんな映画を観てきた[49] 風と共に去りぬ

   風と共に去りぬ
[GONE WITH THE WIND]
(1937/米 監督…ヴィクター・フレミング)

 「明日考えるわ」(和田誠著『お楽しみはこれからだPART2』より
スカーレット・オハラの有名な台詞である。和田誠さんによると、原作にも使われている主要な台詞であり、映画というより文学の名台詞というべきなのだそうだ。「Tomorrow iIs Another Day」明日は明日の風が吹く…は突き詰めるとこういうことになる。主演に大(?)抜擢されたヴィヴィアン・リーは、この後、『哀愁』、『欲望という名の電車』など、映画の歴史に残る名作に出ることになるが、小さい身体にこの大物感、見出した人、要は製作者の勝利ということだろう。ジーン・アーサーやスーザン・ヘイワードなど、名だたる大女優がこの役を目指したらしいが、なにか特別なコネクションがあったか(その気配もあったとか、なかったとか、その噂はあったと何かの資料で読んだことがある)、無名の小柄な女優がこの大役を射止めたという。とにかくこの時代に、こんなテーマのこんな大作、アメリカという国の〝迫力〟を思い知らされた。

こんな歌を聴いてきた    どうぞこのまま

   どうぞこのまま

     作詞・作曲・歌 丸山圭子

  この確かな 時間だけが
  今の二人に 与えられた
  唯一の 証しなのです

  ふれあうことの喜びを
  あなたのぬくもりに感じて
  そうして 生きているのです

  くもりガラスを 伝わる
  雨のしずくのように
  ただひとすじに ただひとすじに
  ただひたむきに

  それは ばかげたあこがれか
  気まぐれな恋だとしても
  雨は きっと 降り続く

  くもりガラスを たたく
  雨の音かぞえながら
  どうぞこのまま どうぞこのまま
  どうぞやまないで

  さよならは 涙とうらはら
  冷めたコーヒーのようなもの
  だから いつまでも このまま

  どうぞこのまま どうぞこのまま
  どうぞやまないで
  どうぞこのまま どうぞこのまま
  どうぞやまないで

 遠い昔、LPを買って四畳半の部屋で、相応の卓上オーディオでよく聴いたものだ。たしかこの丸山圭子という歌手は同い年ではなかったか…隙間だらけの、若干傾いていて窓もちゃんと閉まらない部屋では「くもりガラスを伝わる雨のしずくのように」などと、とてもロマンチックな雰囲気ではなかったけれど、それはそれでおかしくもあり、決して惨めなものではなかったように思える、懐かしいだけかもしれないが…
 ボサノバ調の歌謡曲とでもいうべきか、まあそんなことはどうでもよろしい、入手した当座は、とにかくほぼ毎日聴いていた。最近になって、ネットで聴いてみて(引越しを機に、後生大事に置いていた壊れたステレオも、併せてレコードも捨ててしまった)、相変わらずいい歌だと思えて、試しに他の彼女の曲も続けて聴いてみたけれど、個人的に沁みる歌はこれだけだったかな?