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《訃報》 アラン・ドロンさん死去

[訃報]俳優 アラン・ドロンさん死去 88歳

「太陽がいっぱい」で主演
 2024年8月18日 15時45分  NHKオンライン

 映画「太陽がいっぱい」などに主演し、世界的な二枚目俳優として日本でも多くの人々を魅了した、フランスの俳優、アラン・ドロンさんが死去しました。88歳でした。

 フランスのAFP通信は、家族の話としてドロンさんは、フランス国内の自宅で家族に見守られながら息を引き取ったと伝えています。

          ◇

 〝世界的な二枚目俳優〟と記事にはあるが、果たして・・・
 彼と、アメリカからはロバート・レッドフォード、イタリアからはジュリアーノ・ジェンマ、世界三大二枚目として括ればこういうことになるか…
 思えば、テレビ上映となると、三人とも吹き替えは決まって(必ずではないが…)野沢那智さんの役割だった。実際には、アラン・ドロンにしても、おそらく他の二人にしてももっと低音であったようだが、その甘ったるい声質がその人気をさらに高めたことに違いはない…と思う。
 ドロンといえば『太陽がいっぱい』であることに異論はないが、個人的には『太陽はひとりぼっち』も『サムライ』も『ル・ジタン』なんていうのも面白かったが、何といっても『ボルサリーノ』、できれば『…2』を挙げたい。前者は製作側が彼に演じさせたかった作品、それに対して後者は彼がやりたかったもの…のような気がする、作品的評価はどうでも良く、とにかく観ていて楽しかった。チャールズ・ブロンソンを〝復活〟させた『さらば友よ』、ジャン・ギャバンを引き摺りだした?『シシリアン』など、決して独りよがりではない映画作り(実際にはもっと生臭いことなのだろうけれど…)を手掛けたことに関しては感心頻りである。誰も得しなかったのはカトリーヌ・ドヌーブ(『リスボン特急』)とジャン・ルイ・トランティニアン(『フリックストーリー』ぐらいか、映画自体は面白かったが、大スターを更に大きな存在にすることはなかった…ような気がする。もう半世紀も昔のことになるか、切れ目なく彼の映画を観ていた時期があって、特に大ファンというわけではなかったが…いや、これは立派にファンだったのだろうと今思っている。

こんな歌を聴いてきた    水中花

   水中花

      作詞・阿久 悠
      作曲・歌:井上 忠夫

  線香花火チリチリと
  松葉模様描いてる
  金魚鉢ではポトリ紙の花咲く
  水の中で開く花
  外に出せばただの紙
  そうよ私はここで生きているだけ

     あなたには二度と逢えないわ
     お互いに不幸になるだけよ
     さよなら さよなら お酒でも飲みます

  針の音がシャーシャーと
  歌の隙間埋めてる
  古いレコードかけて酒を飲むのよ
  辞書を開き知らぬ文字
  さがしながら書く手紙
  頬に流れる涙吹きもしないで

     あなたには二度と逢えないわ
     お互いに不幸になるだけよ
     さよなら さよなら 夜明けでも待ちます

 どこでどうひっかかったか、まさか松坂慶子の『愛の水中花』(こちらは五木寛之作詞)と間違えたわけでもあるまいが、調べるとその3年ほど前に発売されたものであったようで、とにかくLPを買い求めて、これもまた毎夜のごとく繰り返し聴いていたことは覚えている。『ブルーシャトー』も悪くはないが、この井上忠夫という人のベースは、あくまでも〝和風で〟、ここらあたりにあったのだと思っている、そのくらい沁みるのである。