月別アーカイブ: 2024年11月

こんな映画を観てきた[51] グッバイ・ガール

   グッバイ・ガール
[the Goodbye Girl]
(1977/米 監督…ハーバート・ロス)

『裸足で散歩』(67)、『おかしな二人』(68)でお馴染み?のニール・サイモンの脚本によるものだ。その後、この『グッバイ・ガール』を挟んで、『名探偵登場』(76)、『カリフォルニア・スイート』(79)、『昔みたい』(80)、『泣かないで』(81)等など、ほぼ毎年その戯作が世に出て、評価もそれぞれ高いという、見事というほかない。本作では、リチャード・ドライファスとニール・サイモンの妻であるマーシャ・メイソンが出演、いい意味で手慣れたものだ。
 さて、お話は…
 ニューヨークの片隅で、偶然、同居することになった男運の悪い子持ちの元ダンサーと、俳優とのコメディである。資料によるとニール・サイモンがこの二人のために書き下ろした作品だという。

 「俳優は舞台の上では素敵だけれど、実生活では民衆の敵よ」(和田誠著『お楽しみはこれからだPART3』より)
 これまでの恨みつらみを男にぶつけているのだけれど、それまでの彼女の生き越しがよくわかる。
 そして、
 「ゆうべのこと忘れて」
 「だめだよ。日記に書いちゃった」
 二人が初めてベッドを共にした翌朝の会話(和田誠著『お楽しみはこれからだPART3』より)。
 クスッと笑わせてくれるやり取り、これこそが真骨頂、演者、監督、作者、まさに三位一体で愉しませてくれた。

こんな唄に出くわした[21]    夜明けのブルース

   夜明けのブルース

    作詞・作曲・唄:レイモンド松屋

 失礼ながら全く存じ上げなかったが、どうやら同郷らしい、このレイモンド松屋という人。この唄、五木ひろしが唄って10年と少し前にヒットしたというが、記憶がない…どうしたことであろう?偶然に聴いたのは、無論?五木ひろしの歌唱によるものだが、試しに検索してレイモンド松屋氏のもので聴きなおしてみた。内容はといえば、まあどうでもというか、取り立てて沁みるところもはっきり言ってないが、こうまで歌い上げられると、またふるさと近く(実際には少々離れたところで生まれたが…そこはまあ大目に見て…)避けては通れない曲として記録しておきたい。

  このグラス飲みほせば帰ると
  言えばお前がからみつくから
  すねてる肩をそっと引き寄せれば
  膝にもたれて耳元ささやく

  秘密に出来るの 誰にも言わずに
  トキメキこころは
  運命(さだめ)と信じて
  ここは松山 二番町の店
  渋い男の夜明けのブルース

  かっこつけて一人タクシー乗っても
  後ろ髪引く別れ口づけ
  ひきかえしたら思いっきり抱きしめ
  夜のしじまにとけてみようか

  秘密に出来るの きっと最後の恋だと
  トキメキこころは
  見つめ合う目と目
  ここは松山 二番町の店
  シャレた女の夜明けのブルース

  秘密に出来るの 誰にも言わずに
  トキメキこころは
  運命(さだめ)と信じて   
  ここは松山 二番町の店
  渋い男の夜明けのブルース

 「ここは松山 二番町の店」という箇所のほか、松山をイメージさせる文言はまるでないが、そこが路面電車の路線から少し入った、ご当地一番の盛り場であることに間違いはないようだ。その昔、親類の姉妹がスナック(何という店名だったか…)を営業していて、学生時代、帰省の折に顔を出しては、もしかするとご馳走になったかもしれない、申し訳ない、記憶がない。想えば、日野てる子という往年の歌手が、デビュー前にこの辺りで唄っていて、それが露見?するに及び在籍していた高校をやめることになったとかどうとか、そんなことを聞いた覚えがある。