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こんな唄に出くわした[30]    黄昏

   黄昏

     作詞・作曲:岸田智史
唄:原 大輔

  枯葉散る 季節になって
  靴音さえも 消えました
  何故でしょうか…
  淋し過ぎて 胸の震え止まらない

  コート無しの 身体寄せて
  歩く二人は 恋人なのに
  追いかけても
  今あなたの 心何処に遊んでいるの

  いつも通りに あの角まで
  送ってくれますか?
  ふりむかないで お別れに
  心が心が 乱れます…

  黄昏の 街を行く
  一人ぽっちの 長い影
  離れてても あなただけは
  陽ざしの中歩いてほしい…

  あなたをもっと 知りたかった
  私をもっと 見せたかった
  それも無理ね… このままでは
思い出さえも壊れそうだもの

  いつもどおりに あの角まで
  送ってくれますか?
  ふりむかないで お別れに
  涙が涙がこぼれます…

  黄昏の 街を行く
  一人ぽっちの 長い影
  離れてても あなただけは
  陽ざしの中歩いてほしい…

 これもまた、何処かで聴いたことのあるようなないような…『秋冬』という曲(別の歌い手のもので知ってはいたが)で出くわした原大輔という人の歌唱である。作者の歌唱でも聴いてみたが、やはりこの原大輔に軍配はあがる…〝沁みる〟ということにことにおいては、あくまでも個人的にそう思う。秋から冬へ、もの悲しさを背景に、そんな雰囲気の中で容赦なく朗々と歌いあげる。聴く側にしてみれば、逆に静かに、穏やかに落ち込んで、切なさに浸っていられるというものだ。

こんな映画を観てきた[59] 追憶

   追憶
  [The Way We Were]
(1973/米 監督…シドニー・ポラック)

 アメリカ、いわゆる〝赤狩り〟の時代、そもそもこの二人が魅かれ合うというのは少々無理があったのかもしれない(バーブラ・ストライザンド、ロバート・レッドフォード)。稀代の二枚目と失礼!!カップルとしても(見かけの話だが…)、二人のシチュエーションとしても、やがてすれ違って当然?まずもってこの〝行き違い〟こそがメーンテーマで、ストーリーとキャスティングがついてきたということか…もしかすると、あのスタンダードにもなったテーマ音楽がまずあって、そこにキャストがついてきたのかもしれない…知らんけど…
『いちご白書』という作品でも同様な設定があったが、こちらは悲劇的な〝その後〟を思わせるラストだった(主人公が恋人の名を叫んで、警官隊の網ににつっ込んで行って、エンディング)が、一種爽快感は残った。『追憶』にはそんな残像はなく、甘いだけのロマンティックな最後だったような…それにしてもこの歌にはまいった、アメリカ映画では珍しく後世に残る一曲となったことに間違いはない…と思う。
「本当に恐ろしいのは…略…、平和のために立ち上がろうとしない人々なのです」(『お楽しみはこれからだ Part2』:和田誠著)、これは冒頭のケイティ(バーブラ)の演説からのもので、政治的社会的背景はともかく、「その通り!」と言いたいところだが、これもまた心の叫びで終わってしまい、せめて権利としての一票を大切にしたいと思うに留める者としては、衝撃ではあるが、どうしても沁みてこない歯がゆさと僅かな負い目が残る。