責任ある後始末…鑑想記#073

故郷への長い道:スター・トレック 4【1986/米】
スター・トレック 4

 《時は23世紀。地球は破滅の危機に瀕していた。それを救う唯一の方法は、過去の世界にあった。カーク提督、スポック艦長、ドクター・レナード“ボーンズ”マッコイ、彼らは数々の危険な冒険の経験者だ。しかし、今回の旅だけは未経験だった…1986年のサンフランシスコなど、見たことがなかったのだ---。》

 前半は、何やら『2001年 宇宙の旅』を彷彿させる“謎の探査船”、重要な役目だがあまり存在感がない。しかしストーリーを面白く、しかも淡々と追っている点は好感が持てる。

 ただ、鯨を扱うシーンは、反捕鯨キャンペーンの色濃く、映画の中での唯一の悪玉、捕鯨船(日本の捕鯨船だったらどうしようかと思ったが、おそらくあれはソ連船か北欧のものだろう)の取扱いなど、捕鯨反対の意識が頑ななまでに表に出ており、一歩間違えば『偏向』と言われても仕方のないところだ。アメリカ人だけが絶対に正義で、鯨を食べるなど悪魔の所業だと非難するつくりにはいささか後味の悪さを覚えた。