訃報 ショーン・コネリー

 「女王陛下の007」(69年)で主人公ジェームズ・ボンドの相手役「ボンドガール」を務め、ボンドの最初の結婚相手になったダイアナ・リグが82歳で9月に亡くなったという報せが届いてから程なく、今度は主役たる初代ジェームズ・ボンド役を演じた英俳優ショーン・コネリーが亡くなった。90歳だった。もっとも、この二人実際の共演はなく、接点は無い(あったかもしれない…)。「女王陛下・・・」でのボンドはジョージ・レーゼンビーという誠に気の毒としか言いようのない俳優が演じた。フェミニスト運動の盛り上がりのもと、女性蔑視の象徴として槍玉にあがった『007』、その影響もあってか、われらがボンド氏は事もあろうに、結婚させされてしまう(もっとも結婚式当日にこの花嫁は殺害されるのだが…)。作品的にも敵役のテリー・サバラスの存在感のほかは観るべきところのないものだった(と思っている)。
 さて、ショーン・コネリー、『007』のイメージからなかなか脱却できず、随分と苦労したようだが、それでも辛抱の甲斐あって?「薔薇(ばら)の名前」で“渋い”評価を受け、ついに1987年の「アンタッチャブル」でアカデミー助演男優賞を受賞した。それでも、歴代ボンドの人気投票ではしばしば1位になっているという(個人的にはロジャー・ムーアも“品格”からいくと悪くないと思っている。ティモシー・ダルトンも決して悪くはないが、他は酷過ぎる)。ベストは「ロシアより愛をこめて」ということになろうが、第1作の「ドクター・ノウ」「ダイヤモンドは永遠に」も悪くない、「ゴールドフィンガー」、「サンダーボール」など、何度観ても面白いが、「二度死ぬ」、これは申し訳ないが二度と観たくないし、「ネバーセイ・ネバーアゲイン」はオマケで出来たような作品で、シリーズにさえ入れられていない(らしい)。滞在先の地中海はバハマで亡くなったというが、終の棲家は幸せなものであったのか、そうであって欲しいと願い祈るばかりだ。