こんな映画を観てきた[19]

合併結婚[Yours, Mine and Ours]
(1968/米 監督:メルビル・シェイブルソン)

 「ルーシー・ショー」でおなじみのルシル・ボールと、「怒りの葡萄」「ミスタア・ロバーツ」のヘンリー・フォンダという異色の取り合わせといっていいのだろう、テレビ放映の微かな記憶があるだけで、実話に基づいたホームドラマ…だというが、そんなことはどうでもよろしい、「ささやかな規則があって、お互い文句を言わないこと、それが、困難を乗り越えられる手立てだ」という台詞だけが正確ではない(どちらが言ったのかも覚えていない)が、心に残っている。そうしたうえで、最悪の事態に備えて、基本的には楽観的に生きるということか、解らないでもないが…
資料によると、海軍に勤めていた夫が死んだので、ヘレン・ノース(ルシル・ボール)は、夫の思い出のない所で新しい生活を始めようと思い、残された8人の子供とともにサンリアンドロに向かった。一方、原子力空母エンタープライズの乗組員のビアズレイ(ヘンリー・フォンダ)は、妻に先立たれ、これまた10人の子供の面倒を見なければならなくなり、空母を下り陸上勤務に変わった。この二人というか二組が結婚、これがまさに“合併”ということなのだろう、当然様々な問題が起こるわけで(だから映画になる…)、結論からいうと、いかにもアメリカ映画的にハッピーエンド、つまりは困難を乗り越えていった…というもの、“ささやかな規則”と“懐深い許し(寛容とでもいっておこうか…)”、これさえあればなんでも上手くいく…はずだという作品であった。