浅草しぐれ
多くの人が唄っていた…らしい、ここでは三島敏夫でいってみよう。オンタイムでは随分気持ちの悪い唄い方をするものだという以外何も響かなかったが、思えばハワイアンの人であったから、あの独特な歌い方が当然であり、それが狙いでもあったのだろう、しかし当時の私にはとにかく沁みるものではなかったということだ。それが半世紀の時を経て、偶々ぶつかってみると、繰り返し聴いても飽きないほど沁みてくる…ことになる。
作詞 上野 たけし
作曲 上野 たけし
唄 三島 敏夫 他
逢えば別れが 悲しいものを
逢えぬ淋しさ 尚更つらい
あなた偲んで 仲見世通り
どこか似たよな うしろ影
ひと目逢いたい…
夜の浅草 通り雨
藤圭子のカバーのあとにこの三島敏夫を聴くとまた一味も二味も違って、またその繰り返しで夜も更ける。一杯いただきたいところだが、夜更けとあってはただただ聴き入るのみでる。三島の『錦糸町ブルース』というものもなかなかに沁みる。当時は土地に馴染みなく(特に日が暮れてから)、ほとんど接することがなかった唄だったけれど…