こんな唄に出くわした[3]  -雪-

   雪 

  作詞:吉田旺
  作曲:池毅
  歌:ちあきなおみ

 噂たぐって 北港(きたみなと)
 消息(ゆくへ)つきとめ うれしやと
 あなたのアパート 訪ねれば
 「どなた?」と女が 顔をだす
 古いともだち 友達ですと
 つくる笑顔に 雪…雪…雪…
 雪…雪…雪…

 「すぐにあのヒト 戻ります」
 「どうぞ上って ください」と
 微笑む真赤な その頬に
 負けたとなぜだか そう思う
 「汽車の時間が ありますから」と
 頭さげれば 雪…雪…雪…
 雪…雪…雪…

 吹雪(ふぶ)く坂道 ヨロヨロと
 ヒールひきずる もどり道
 子供の手をひき あのひとが
 私に気づかず 行き過ぎる
 あなたさよなら さよならあなた
 踵(きびす)かえせば 雪…雪…雪…
 雪…雪…雪…

 ちあきなおみと、日吉ミミで聴いてみた。対極的な唄い方で、それぞれの特徴がよく出ていて、それぞれ沁みるものだった。物語としては、いわば“修羅場”もので、それほどの“深味”も感じないが、歌い手の力量?による沁み具合といったところかもしれない。ただ、『雪』の存在感というか、効果は絶大、これ以上の寒々しさはないだろう。