悪い奴ら

 連日、〝悪事〟を暴かれて、されどしらを切ろうとしている顔が並ぶ。中でもとりわけ悪人顔(もうイメージだが…)、賄賂をもらったとされるあの人。3億円の保釈金で世に放たれてしまう者、とにかく逃げ隠れて時を稼ごうとする者、いろいろいらっしゃるが、この人の顔が特に悪人顔、刑事ドラマでも明らかに犯人、もしくはその背後にある人物といったところか。この人にもいいところはあるのだろうが、もう映像はそれを許さない、日に日に悪人度は上がる一方だ。これはなかなかに収拾はつかない(ついてはいけない!)。
 映像も時には嘘をつく。恣意的な演出がまたそれを際立たせ、尾ひれを加えた上で信憑性すら裏から貼りつけることさえしてしまう。恐ろしいが、かといって次々とところてん式に記憶の彼方に追いやってしまう、つまり盛り上がった分だけはやく忘れられてしまう、忘れさせてしまう、こちらの方が更に空恐ろしい。悪人は悪人として、悪人顔を貫き、それを全うして大団円を迎え、相応の罪を償って欲しいものだ。