シェルブールの雨傘
(1964/仏 監督:ジャック・ドゥミ)
オープニングのカラフルな傘の往来、シェルブール駅での出征する恋人の見送り、そして雪のガソリンスタンドでの再会と永遠の別れ。台詞が全て音符付きで、そんなことはどうでもよろしい、ただただ一六歳のカトリーヌ・ドヌーブが可愛らしくて…
…フランス北西部の港町シェルブール。自動車修理工の青年ギイと傘屋の娘ジュリビエーブは結婚を誓い合った恋人同士だったが、ギイに送られてきたアルジェリア戦争の徴兵令状が2人の人生を大きく翻弄する…というお話。40年もの大昔、シェルブール駅のホームに立たんと、目指すには目指したが、まだTGVはパリ・リヨン間のみの運行で、ノルマンディー方面へはパリから片道4時間、それを日帰りでというのはさすがに腰が引けてしまい、またTGV乗車の魅力に抗しがたく、結局こちらを選び、シェルブール駅を断念したという記憶がある、微かに。
半世紀以上も昔(先の東京オリンピックが開催され、そしてこの年、日本シリーズで阪神タイガースが東映フライヤーズに敗れた。日本一になるのは21年も後のことである)の作品でもあり、さすがにすでにリバイバル上映であったが、冒頭の傘が左右上下に交錯するオープニングには圧倒されたものだ。