(1971/米・英 監督:ガイ・ハミルトン)
密輸されたダイヤモンドを使って、レーザー光線を放射するという人工衛星が打ち上げられ、地球上のあらゆる場所が危機にさらされる…現代では、あながち荒唐無稽とも言えないが、とにかくファンタージーではある。テーマは壮大だが、作品としてはいたって〝小品〟といっていいだろう。舞台はあくまでも地上のしかもかなり狭いくらいの空間で、宇宙とは対極の身近な広さであった。
さてメーンステージはラスヴェガスのカジノ、本来、内部は撮影が禁止されているので、映画でのカジノのシーンは全てセット。ここでは、そのカジノがパーフェクトに再現されていた。 そこでボンド氏はダイスだったが平然と勝ってしまうのだが、高額のチップが無造作にやり取りされるカットはまさにカジノの雰囲気満点!勝負がつけば、お次は美しい女性登場というのがお決まりのコースで、今回はほんのちょっとだったが、 ナタリー・ウッドの妹、ラナ・ウッドがお相手をつとめた。
半世紀ほども大昔のこと、今では〝聖地巡礼〟というのだそうだが、一度だけそこで本物の勝負?に挑んでみた。こちらはルーレット、まことに倹しい(みみっちい)限りだが、分相応のかけ金といったところ。ボンド氏のようにクールにいきたいところだが、ささやかな勝利に、却って怖気づいてしまうようではギャンブラー失格、黒人のディーラーにお礼のチップを少しおいて早々に退散である。