お熱いのがお好き
[SOME LIKE IT HOT](1959/米 監督…ビリィ・ワイルダー)
女装してギャングから逃げているジャック・レモンに金持ちのお爺さんが惚れてしまって、あげく求婚するに至るが、いろいろ言いつらねて逃げようとするも、全てを許そうとするこの老人に対してついにかつらを取って
「俺は男だ」
それでもこの老人挫けず、こう続ける
「完全な人間はいない」
恐れ入りました…モーターボート上でのラストシーンだった。
(和田誠著『お楽しみはこれからだ』より)
ビリィ・ワイルダーにジャック・レモンとくれば、もうなんでも面白いわけだが、『アパートの鍵貸します』と本作はその双璧といえるのだろう。もっとも個人的には、マリリン・モンローとトニー・カーチスが束になってかかってきても?シャーリー・マクレーンが共演とあれば、作品として前者には到底かなわないが…
その昔、市内観光バス(「グレイライン」と言ったか?)でハリウッドを訪れた折(過去にトラブルがあったらしく、住宅地はノンストップだったことを覚えている)、「こちらが、あのビリィ・ワイルダー監督のお宅です」との案内があったような…こちらの思い込みによる聞き違えかもしれないが、そう聞こえた。