こんな映画を観てきた[48] お熱いのがお好き

     お熱いのがお好き
       [SOME LIKE IT HOT](1959/米 監督…ビリィ・ワイルダー)

 女装してギャングから逃げているジャック・レモンに金持ちのお爺さんが惚れてしまって、あげく求婚するに至るが、いろいろ言いつらねて逃げようとするも、全てを許そうとするこの老人に対してついにかつらを取って
   「俺は男だ」
 それでもこの老人挫けず、こう続ける
   「完全な人間はいない」
 恐れ入りました…モーターボート上でのラストシーンだった。
    (和田誠著『お楽しみはこれからだ』より)

 ビリィ・ワイルダーにジャック・レモンとくれば、もうなんでも面白いわけだが、『アパートの鍵貸します』と本作はその双璧といえるのだろう。もっとも個人的には、マリリン・モンローとトニー・カーチスが束になってかかってきても?シャーリー・マクレーンが共演とあれば、作品として前者には到底かなわないが…
 その昔、市内観光バス(「グレイライン」と言ったか?)でハリウッドを訪れた折(過去にトラブルがあったらしく、住宅地はノンストップだったことを覚えている)、「こちらが、あのビリィ・ワイルダー監督のお宅です」との案内があったような…こちらの思い込みによる聞き違えかもしれないが、そう聞こえた。