こんな歌を聴いてきた    どうぞこのまま

   どうぞこのまま

     作詞・作曲・歌 丸山圭子

  この確かな 時間だけが
  今の二人に 与えられた
  唯一の 証しなのです

  ふれあうことの喜びを
  あなたのぬくもりに感じて
  そうして 生きているのです

  くもりガラスを 伝わる
  雨のしずくのように
  ただひとすじに ただひとすじに
  ただひたむきに

  それは ばかげたあこがれか
  気まぐれな恋だとしても
  雨は きっと 降り続く

  くもりガラスを たたく
  雨の音かぞえながら
  どうぞこのまま どうぞこのまま
  どうぞやまないで

  さよならは 涙とうらはら
  冷めたコーヒーのようなもの
  だから いつまでも このまま

  どうぞこのまま どうぞこのまま
  どうぞやまないで
  どうぞこのまま どうぞこのまま
  どうぞやまないで

 遠い昔、LPを買って四畳半の部屋で、相応の卓上オーディオでよく聴いたものだ。たしかこの丸山圭子という歌手は同い年ではなかったか…隙間だらけの、若干傾いていて窓もちゃんと閉まらない部屋では「くもりガラスを伝わる雨のしずくのように」などと、とてもロマンチックな雰囲気ではなかったけれど、それはそれでおかしくもあり、決して惨めなものではなかったように思える、懐かしいだけかもしれないが…
 ボサノバ調の歌謡曲とでもいうべきか、まあそんなことはどうでもよろしい、入手した当座は、とにかくほぼ毎日聴いていた。最近になって、ネットで聴いてみて(引越しを機に、後生大事に置いていた壊れたステレオも、併せてレコードも捨ててしまった)、相変わらずいい歌だと思えて、試しに他の彼女の曲も続けて聴いてみたけれど、個人的に沁みる歌はこれだけだったかな?