キャバレー
[CABARET]
(1971/米 監督…ボブ・フォッシー)
「人生はキャバレー」(ライフ・イズ・キャバレー)、映画の中の代表的な歌の歌詞だが、当時に限らず、今でもよく聴くほどのスタンダードとなった。
「恋人を作るより友だちを作る方がむずかしいわ」とは、主人公(マイケル・ヨーク)をライザ・ミネリが誘惑し、拒絶され、彼女は友だちでいましょうとこの台詞を吐いた(和田誠著『お楽しみはこれからだPART3』より)。拒絶された理由は後にわかる…
大戦前夜の頽廃ムード漂う中、そこにこのライザ・ミネルが放つ強烈な光(どちらかというと暗黒の光…)、後に内容よりも歌の方の評価が高かったと言われた(とても面白かったと記憶しているが)?『ミスター・アーサー』への出演があった彼女だが、やはり『キャバレー』での演技が鮮烈かつ際立っていたことに違いはないだろう。とにかく、母親(ジュディ・ガーランド)とは、真反対というか、見た目の印象だけだが、全く対照的で、ただただ驚かされるばかりだ。
さて、監督のボブ・フォッシー、後に『オール・ザット・ジャズ』という自伝的作品を世に出した…のだが、どうしたわけか観ていない。よほど主演のロイ・シェイダーが〝お気に召さなかったか〟、タイトルのイメージとしてもぜひ観ておきたいと、当時はきっと思うはずであろうと考えるところであるが、何故か観ていない。少し調べてみると、この配役にはいろいろと悶着がついたらしく、作品の評価は高かったようだが、とにかく「こんな映画を観てきた」リストには入っていない