グッバイ・ガール
[the Goodbye Girl]
(1977/米 監督…ハーバート・ロス)
『裸足で散歩』(67)、『おかしな二人』(68)でお馴染み?のニール・サイモンの脚本によるものだ。その後、この『グッバイ・ガール』を挟んで、『名探偵登場』(76)、『カリフォルニア・スイート』(79)、『昔みたい』(80)、『泣かないで』(81)等など、ほぼ毎年その戯作が世に出て、評価もそれぞれ高いという、見事というほかない。本作では、リチャード・ドライファスとニール・サイモンの妻であるマーシャ・メイソンが出演、いい意味で手慣れたものだ。
さて、お話は…
ニューヨークの片隅で、偶然、同居することになった男運の悪い子持ちの元ダンサーと、俳優とのコメディである。資料によるとニール・サイモンがこの二人のために書き下ろした作品だという。
「俳優は舞台の上では素敵だけれど、実生活では民衆の敵よ」(和田誠著『お楽しみはこれからだPART3』より)
これまでの恨みつらみを男にぶつけているのだけれど、それまでの彼女の生き越しがよくわかる。
そして、
「ゆうべのこと忘れて」
「だめだよ。日記に書いちゃった」
二人が初めてベッドを共にした翌朝の会話(和田誠著『お楽しみはこれからだPART3』より)。
クスッと笑わせてくれるやり取り、これこそが真骨頂、演者、監督、作者、まさに三位一体で愉しませてくれた。