花ぬすびと
微かに、ほんの微かにどこかで聴いたような記憶があるが、やはり今になって〝出くわした〟というべきだろう。衝撃的で、かつ沁みこむ沁みこむ一曲となった。
花ぬすびと
作詞:すずき ゆみ子
作曲・歌:明日香.
花ぬすびとの 伝説が
別れ話のはじまりでした
私が話す 伝説を
貴方は笑って聞き流す
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
あなたは私のひざの上
白河夜舟の波枕
二度咲き 夢咲き 狂い咲き
季節でないのに 花が咲く
二度咲き 夢咲き 狂い咲き
人の心も また同じこと
白樺めばえる 春の日に
秋の花が欲しくなる
人の心に 咲く花は
育ちやすく 枯れやすく・・・・・・
野の草分けて 吹く風は
ぬすびと伝説物語る
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
私の花をぬすんだ人は
野分きのようにかけぬけた
二度咲き 夢咲き 狂い咲き
季節でないのに 花が咲く
二度咲き 夢咲き 狂い咲き
人の心も また同じこと
野分きが渡る 秋の日に
夏の花を追いかける
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
ごめんね ごめんね ごめんなさい
二度咲き 夢咲き 狂い咲き
季節でないのに 花が咲く
二度咲き 夢咲き 狂い咲き
人の心も また同じこと
演歌のジャンルでも『花ぬすびと』という唄があって、こちらは村上幸子という歌い手によるものなのだが、奇しくもこの二人、若くして亡くなってしまっている。どちらも病によるものとのことだが、どうしたことだろうか?
こちらは、まさに〝演歌〟といえる…のだろう。資料によると、前者は1982年の発表で、一方については彼女が亡くなった(1990年)後に発表されたものらしいが、全く別物で、とにかくどちらも沁みる良い唄だ。
花ぬすびと
作詞:石原 信一
作曲:叶 弦大
唄 :村上 幸子
花ぬすびとは ゆうべのあなた
夢追人は 夜明けのわたし
そえぬ運命の 浮き世の風に
咲いてみたい 赤い命
夜がいじめても おんな花
ぬくもりほしい 止まり木の隅
にがてなお酒 無理して呑むわ
ひと夜逢えなきゃ 明日がみえぬ
ばかなやつと 叱りつけて
涙止まるまで こぼれ花
化粧はしても 心のなかは
あなた好みの 素顔でいたい
こんな小さな 純情だけど
いつか春が きっと来るわ
ひとり言いきかす 夢見花