こんな唄に出くわした[30]    黄昏

   黄昏

     作詞・作曲:岸田智史
唄:原 大輔

  枯葉散る 季節になって
  靴音さえも 消えました
  何故でしょうか…
  淋し過ぎて 胸の震え止まらない

  コート無しの 身体寄せて
  歩く二人は 恋人なのに
  追いかけても
  今あなたの 心何処に遊んでいるの

  いつも通りに あの角まで
  送ってくれますか?
  ふりむかないで お別れに
  心が心が 乱れます…

  黄昏の 街を行く
  一人ぽっちの 長い影
  離れてても あなただけは
  陽ざしの中歩いてほしい…

  あなたをもっと 知りたかった
  私をもっと 見せたかった
  それも無理ね… このままでは
思い出さえも壊れそうだもの

  いつもどおりに あの角まで
  送ってくれますか?
  ふりむかないで お別れに
  涙が涙がこぼれます…

  黄昏の 街を行く
  一人ぽっちの 長い影
  離れてても あなただけは
  陽ざしの中歩いてほしい…

 これもまた、何処かで聴いたことのあるようなないような…『秋冬』という曲(別の歌い手のもので知ってはいたが)で出くわした原大輔という人の歌唱である。作者の歌唱でも聴いてみたが、やはりこの原大輔に軍配はあがる…〝沁みる〟ということにことにおいては、あくまでも個人的にそう思う。秋から冬へ、もの悲しさを背景に、そんな雰囲気の中で容赦なく朗々と歌いあげる。聴く側にしてみれば、逆に静かに、穏やかに落ち込んで、切なさに浸っていられるというものだ。