こんな唄に出くわした[31]   哀歌(エレジー)

   哀歌(エレジー)

     作詞・作曲:谷村新司
     唄:八代亜紀

   からだに残る傷でさえ
   消えないことがあるという
   まして心の傷あとを
   抱いて生きるも女ゆえ

   あきらめきれぬ恋ゆえに
   くちびる噛んで身を焦がす
   涙流せば今日までの
   がまんがすべて嘘になる

   帰る家さえない鳥が
   寒さこらえて空を見る
   二度と飛べない空ならば
   かくしておくれ今夜から

   死ぬも生きるもさだめなら
   恨む気持ちはないけれど
   せめて一夜の情けでも
   あれば苦労も耐えられる

   あれば苦労も耐えられる

 文字通り、哀しくもつらい唄である。が、決して〝貧乏くさい〟ものではない。歌詞は暗いが、根底に〝高濃度〟のエネルギーを感じて、従って聴けば聴くほど、飽きず、逆に元気が出てくるではないか。これもくり返し聴くことができる〝沁みる〟唄なのである。