悲しみよ一粒の涙も
作詞:荒木とよひさ
作曲:浜圭介
唄 :高山厳
人は誰でも 人生の荷物をかかえて
黄昏の駅舎(ホーム)から
どこかへ乗り換える
愛にはぐれた 女なら あしたを尋ねて
足早に昨日を 逃げだすがいい
悲しみよ一粒の もう涙も出ない
悲しみよ一粒の もう涙も出ない
想い出よ 優しく 背中を見送って
生きていれば いいこときっとあるから
人は誰でも
この都会(まち)が積木の夢でも
幸福の階段を どこかで探してる
愛につまずく 女なら 昨日と別れて
遠まわりの生き方を 見つければいい
悲しみよ一粒の もう涙も出ない
悲しみよ一粒の もう涙も出ない
想い出よ 疲れた 心を眠らせて
夢よりも いいこときっとあるから
悲しみよ一粒の もう涙も出ない
悲しみよ一粒の もう涙も出ない
想い出よ 優しく 背中を見送って
生きていれば いいこときっとあるから
いいこときっとあるから
『心凍らせて』と『傷つきながら』とこの曲で〝高山厳三部作〟(そんな定義はないが‥)とするならば、これが完結編か、事が〝生き死に〟に及び、「生きていればいいこときっとあるから」というところにむしろ深い絶望を感じるのである。救いがないという点では、北原ミレイの『棄てるものがあるうちはいい』と双璧か、むろん個人的に存じ上げているものの内で、ということになるのだが…
2009年リリースとのことだが、17年前、いったい自分は何をしていたか、人生を想えばそれほどの昔でもないが、殆ど記憶にも印象にも残っていなくて、とにかく齷齪(あくせく)していたことだけは確かだ。「想い出よ 優しく 背中を見送って」はやはり綺麗ごとで、何につけ引き摺って、或いは見て見ぬふりをして、時間ばかりがただ過ぎていたような、それでもとりあえず生きていた、今も…