裸の銃を持つ男[THE NAKED GUN](1988/米)

1989年 5月 記
     

 新宿文化シネマ1 UIP配給 1時間25分…鑑想記#085   

 思い立って久しぶりに映画館に入る。5月というのになんと今年初のロードショーということになってしまった。うっかりすると映画を忘れるところだった。

 急に思い立ったので作品を決めていない、とにかく新宿に出て時間と見合わせて決めることとする。スカラ座で『カクテル』、時間的に丁度いいがトム・クルーズももういいかな?ってことで新宿文化シネマへ。 6階のシネマ2では『レインマン』、時間も半端だし、今更ってところもあって4階のシネマ1の『裸の銃を持つ男』に入る。ちょっと考え込むことの多いこの時期、ドタバタも良いだろう。 館内はまあ平日でもあり、作品としても動員力は他の2作には遠く及ばない?!というわけで嬉しいことにガラガラ、個人的には指定席にゆっくりと腰を下ろす、久々の感触だ。

 これは映画というよりコント集、くだらないギャグの連続で、特に下品なつまり下ネタには笑うどころか、はっきりいって不愉快極まりない。 エリザベス女王、ホメイニ、カダフィ、ゴルバチョフ、アミンとそっくりさんの登場も、そっくり過ぎて逆に笑えない。でも最後に出てきたエンゼルスのライト(催眠術で女王暗殺に利用される) はもしかすると何年か前に引退した本物のレジー・ジャクソンだったか(未確認)?

 ただこういう映画にしばしば往年の名優が出て、結構楽しいところを見せてくれるのだが、今回はあの『ペーパー・チェイス』の老教授役でアカデミー助演賞を受賞し先頃亡くなった ジョン・ハウスマン、こんなことをよく気持ちよく(?)引き受けたものだと感心させられる。それでも場面によっては笑ってしまうのだが、それもやはり背中に銃をつきつけられて無理矢理笑えって言われているようで、 少し辛い。元エルビス・プレスリー夫人ブリシラ・プレスリーは意外に良かったという印象だけを付け加えておく。

 

   監督:デビッド・ズッカー  製作:ロバート・K・ウェイス  音楽:アイラ・ニューボーン  撮影:ロバート・スティーブンス

   キャスト:レスリーニールセン、プリシラ・プレスリー、リカルド・モンタルバン、O・J・シンプソン、ジョージ・ケネディ、ジョン・ハウスマン