シクラメン

   真綿色した
   ブタノマンジュウ…もとい…
   『シクラメン』ほど
   すがしいものはない

 もう一つの和名であるところの「カガリビバナ(篝火草)」というのも響きとして悪くはないがやはり字余り、「ブタノマンジュウ(豚の饅頭)」では、豚には失礼だが、酷過ぎる。内気とか清純の花言葉を持つ反面、疑念・嫉妬というものもあり、 しっかり?毒性も有しているらしい。それはともかく、布施明によるものよりも、作者自身の小椋佳がうたった(メロディラインがちょっと違っている)ものの方がなんとなく“沁みる”のである。年のせいもあるが、 当時からそうした印象は持ち続けており、じっくり、懐かしく聴くとしたら、躊躇なくこちらを選ぶことになる。


     

2024-11-第65号 …あくまでも・・・パーソナル・ペーパー

★コラム…か?
   どうしていいか、わからない
       
 11月になって、我が故郷を中心とした地域が季節外れの大雨にみまわれた。今や季節外れという言葉は死後に近いのかもしれないが、めったに自然災害に遭う事のない(台風など、近づくころには有難いことに少し勢力を落としていることが普通…) まことに穏やかな土地柄で、人柄もあまり争わず若干気迫に欠けるところはあるのではないかとの印象は昔から持っているが、生活するには、全く持って贔屓目を差し引いても過ごしやすいかも、その分面白味の度合いは低いかもしれないが。 そんな平和なところに大雨、改装間もない街の中心地である駅舎も哀れ水浸しとなったとの報道。
 ニュース映像の中で、明らかに駅の職員と思しき男性が雑巾を手に床を拭いている、水たまりのレベルではないまさに水面が波打っている有様、また、別の個所では別の職員がポリバケツで懸命に建物内の水を掬って外部に捨てている。 水が引くのを待つしかないだろうとは思うが、職員としてはじっとはしていられないということであろう、そして、どうしていいかわからないという心理状態、ある種のパニック状態ではないかと思われる。
 いつも平穏で、何事もあっては欲しくない故郷ではあるが、そこだけが選ばれて事件も災害もないというわけにはいかないし、そんなはずもない。どこで何があろうと他人事ではないのだ。逃げるのか、そこまでに至らぬ場合でも、 それでは雑巾やバケツを片手にとにかく動いてみるか、訓練ではなく心構えだけはしておこう、今ここだけは、自分だけは安全である…わけはないのだ、こここそが危ないと認識すべきである…のではあるが…

★こんな唄に出くわした[21]
    夜明けのブルース
       
     作詞・作曲・唄:レイモンド松屋

 失礼ながら全く存じ上げなかったが、どうやら同郷らしい、このレイモンド松屋という人。この唄、五木ひろしが唄って10年と少し前にヒットしたというが、記憶がない…どうしたことであろう?偶然に聴いたのは、 無論?五木ひろしの歌唱によるものだが、試しに検索してレイモンド松屋氏のもので聴きなおしてみた。内容はといえば、まあどうでもというか、取り立てて沁みるところもはっきり言ってないが、こうまで歌い上げられると、またふるさと近く (実際には少々離れたところで生まれたが…そこはまあ大目に見て…)避けては通れない曲として記録しておきたい。

  このグラス飲みほせば帰ると
  言えばお前がからみつくから
  すねてる肩をそっと引き寄せれば
  膝にもたれて耳元ささやく

  秘密に出来るの 誰にも言わずに
  トキメキこころは
  運命(さだめ)と信じて
  ここは松山 二番町の店
  渋い男の夜明けのブルース

  かっこつけて一人タクシー乗っても
  後ろ髪引く別れ口づけ
  ひきかえしたら思いっきり抱きしめ
  夜のしじまにとけてみようか

  秘密に出来るの きっと最後の恋だと
  トキメキこころは
  見つめ合う目と目
  ここは松山 二番町の店
  シャレた女の夜明けのブルース

  秘密に出来るの 誰にも言わずに
  トキメキこころは
  運命(さだめ)と信じて
  ここは松山 二番町の店
  渋い男の夜明けのブルース

 「ここは松山 二番町の店」という箇所のほか、松山をイメージさせる文言はまるでないが、そこが路面電車の路線から少し入った、ご当地一番の盛り場であることに間違いはないようだ。その昔、親類の姉妹がスナック (何という店名だったか…)を営業していて、学生時代、帰省の折に顔を出しては、もしかするとご馳走になったかもしれない、申し訳ない、記憶がない。想えば、日野てる子という往年の歌手が、デビュー前にこの辺りで唄っていて、 それが露見?するに及び在籍していた高校をやめることになったとかどうとか、そんなことを聞いた覚えがある。。

★こんな映画を観てきた[51]
   グッバイ・ガール
  [the Goodbye Girl]  (1977/米 監督…ハーバート・ロス)
         
 『裸足で散歩』(67)、『おかしな二人』(68)でお馴染み?のニール・サイモンの脚本によるものだ。その後、この『グッバイ・ガール』を挟んで、『名探偵登場』(76)、『カリフォルニア・スイート』(79)、『昔みたい』(80)、 『泣かないで』(81)等など、ほぼ毎年その戯作が世に出て、評価もそれぞれ高いという、見事というほかない。本作では、リチャード・ドライファスとニール・サイモンの妻であるマーシャ・メイソンが出演、いい意味で手慣れたものだ。
 さて、お話は…
 ニューヨークの片隅で、偶然、同居することになった男運の悪い子持ちの元ダンサーと、俳優とのコメディである。資料によるとニール・サイモンがこの二人のために書き下ろした作品だという。

 「俳優は舞台の上では素敵だけれど、実生活では民衆の敵よ」(和田誠著『お楽しみはこれからだPART3』より)
 これまでの恨みつらみを男にぶつけているのだけれど、それまでの彼女の生き越しがよくわかる。

 そして、
 「ゆうべのこと忘れて」
 「だめだよ。日記に書いちゃった」
 二人が初めてベッドを共にした翌朝の会話(和田誠著『お楽しみはこれからだPART3』より)。
 クスッと笑わせてくれるやり取り、これこそが真骨頂、演者、監督、作者、まさに三位一体で愉しませてくれた。
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