出張と列車と駅弁の日々[006]
第6回 新しい特急に乗ってみたい
 「出テツ」(こんな言葉があるかは知らないが、鉄道での出張を趣味のようにしている人を勝手にこう呼ぶことにする)の私にとって 気になるのは、新しくできた特急だ。今年気になっていたのは新幹線「さくら」。2011年3月12日の九州新幹線全線開業と同時に運行開始した列車だ。
 特急で「さくら」と言えば思い出されるのは、寝台特急「さくら」だが2005年に廃止になっている。寝台特急の話はまた別の機会に書きたいと思っている。
 今回の目的は「さくら」に乗ることだ。飛行機で福岡まで行って乗ったのでは面白くない。あくまでも列車を乗り継いでたどりつくのだ。早速、スケジュールを 考える。九州のお客さんで訪問できるのはどこの会社だろう。幾つか思いつくのだが北九州ばかりで、九州新幹線が走っている博多から鹿児島までの会社が思い つかない。さて、どうする?
 一つ幸いなことがあった。「さくら」は九州新幹線開業と共に運行開始した列車なのに、山陽新幹線区間も運転しているではないか。九州新幹線に乗ることが 目的ではなく、あくまで「さくら」に乗ることが目的なのだ。「新大阪」から「鹿児島中央」までの間で会社を探せばいいのだ。北九州の会社は目処がたっている。 そこで「ついでに」の理論を使えばいい。今回はこう考えた。
 北九州に行く「ついでに」広島に寄ろう...
 東京→広島間であれば、飛行機ではなく列車で行くのに無理がない。その後、広島→小倉間で「さくら」に乗ろう!これで決まりだ。
 次に時間だ。調べて見ると広島→小倉間の「さくら」は1時間に1本ある。これは予定を組みやすい。広島駅を15時34分の「さくら」に乗ることを決めて、 そこから逆算して広島のお客様への訪問時間を13時に決めた。ああ、スケジュールを組むのは楽しい。お客様への訪問時間を決めるのが、列車の時間を決めるより 優先順位が低いことなど私にとってよくあることだ。
 そして乗ることができた。なんと充実した出張だろうか。

 広島駅に到着する「さくら」私の前にも写真を撮っている人が数人いた

 そうだ、今度は九州新幹線の区間で「つばめ」か「みずほ」に乗る計画をたててみよう。年内に実現したいものだ。



<今月の特急>
ソニック(大分駅で撮影)
 博多、佐伯駅間を走っている特急。
 小倉駅で折り返し運転をするため、前後が逆になる。そのため、座席の向きを変える必要があるのだが、小倉駅から乗って来る人はこのことに気付かず しばらく逆向きに座っている人も少なくない(今回もそういう人がいた)。
 玄界灘、周防灘、といった海域を見ることができる。
   別府湾。奥に製鉄所が見える

  
 ◆2011年7月に訪問したお客様…東京都、山梨県、広島県、福岡県、大分県
<今月の駅弁>
 玄界灘 海の幸(押し寿司)
 黒崎駅で購入(1,100円)
 九州らしいものということで選んだ駅弁。
 中身はアナゴ、エビ、サバの押しずしがそれぞれ2個、かっぱ巻きが3個という寿司部分だけでもボリュームがある。それ以外の食材も豊富で値段の価値はある。
 ネットで調べると発売開始当初は要予約弁当だったらしい。駅で普通に購入できたので今は違うと思う。
 よく見たら寿司以外のおかずは酒のつまみにいいのではないか?失敗したかもしれない。でも、午後から仕事の昼食に飲むわけにいかないよな。 《PPG》
 
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