That's boon shoot 2017

  • こんな映画を観てきた[16]
       -ヘア-
    (1978/米  監督:ミロス・フォアマン)


      むかし、アメリカで『アメリカングラフィティ』(1973・米)という映画がかかった際、 ローラースケートを履いたウエイトレスがトレイを運ぶど派手なドライブインが登場した場面で、観客から爆笑が起こったというが、それは決して 「そういえばこんなものがあった!」という感慨だけでなく、 相当に複雑な思いがあってのことだったのかもしれない。全てはベトナム戦争以前のことだったのだ。 『いちご白書』(1970・米)は青春の1ページに 過ぎないかもしれないが、『ヘア』(1979・米)となるとそうはいかない。その総合的な“評価”については、 これはあくまでもステージのための ミュージカル作品であるわけで、そちらのことに譲るとして、映画にしてくれたということに、せめてもの感謝の気持ちを表したい。 それはともかく、 流れ流れて取り返しがつかなくなる前に何とかしたい、しなければならない。信念とまでは言わずとも、冷静な批判と判断のための意識がないと、 世の中全くもってバランスを逸してしまうことにもなりかねない。大きな声にも怯まず、しらけず、あからさまな“反抗”は“思う壺”で、かえってある種の “口実” を与えてしまうことにもなりかねないが、それでも何か策なり、まだ“て”はあるはずだし、寡黙は許されるとして、決して目を瞑ったり、 ましてやあきらめるべきではないだろう。戸惑いの微笑みの中で、運命に身を委ねるというのは、あまりにも過酷で無慈悲なことではないだろうか。